平成最後の大役
先日、いつものようにiPhoneでツイッターを読んでいたら、トレンドに三浦大知の名前が上がっているのを目にした。
今日は何かの音楽番組に出ていたのかな。と思って調べると、全く予想もしていない事態が起きていた。
2/24(日)「天皇陛下御在位三十年記念式典」にて記念演奏を行います。
「平成」の時代を締めくくる式典での大役である。
沖縄という地に生まれた三浦大知。彼が選ばれたのは、運命だったのだろうか。
「パラシューター」の衝撃
私が初めて彼の姿を見たのは、「パラシューター」のPVだったと思う。
満島ひかりも所属していた伝説のグループ、Folder。そのリードボーカルを務めていたDAICHIは、早熟すぎる天才だった。
伸びやかなハイトーン・ヴォイス。突出したリズム感。おそらく、この時代の日本は、その才能をまだすべて理解できていなかったのではないだろうか。
だが、その後、DAICHIは変声期を迎え、第一線をしばらく退くことになる。
呼吸を支配する無音ダンス
そして、「三浦大知」として活動を再開した彼は、2017年発売のシングル、「EXCITE」で大ブレイクし、この年、紅白歌合戦に初出場を果たす。
当日披露した「Cry & Fight」の無音ダンス。私は、この時のパフォーマンスを生で観ていた。
静寂に包まれる舞台。共振する身体。世界がすべて停止したかと思われた後に、流れ出す歌声。私はこの間、呼吸をすることができなかった。
その光景が脳裏から消えないまま、私はすぐに彼のアルバムを購入し、その才能をあらためて確認した。
THE ENTERTAINER
三浦大知は、歌唱、ダンスともに日本では屈指のレベルの実力を持つ。彼に相応しい肩書は、「エンターテイナー」であると思う。
彼はマイケル・ジャクソンから決定的な影響を受けているが、マイケルは誰も超えることができないエンターテイナーだ。
マイケルの象徴とも言える黒いハットを被った瞬間に、彼の人格は消失し、私たちはそこに神が立ち現れるのを目撃する。それは、完成された能と似ている。
エンターテイナーは、変身することができる。
そして、三浦大知には、その力がある。
人と人の「間」に
entertainという単語は、「enter」(間)と「tain」(掴む)という2つの言葉から成り立っている。
人の心を掴んで離さないのが、エンターテイナーだ。そして、エンターテイナーは、人と人の「間」に立っている。
今回のニュースに対しては、さまざまな意見があるだろう。だが、私は、三浦大知であれば、この任を果たすことができると信じている。
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