Lemonは観たよ
さあ。紅白歌合戦の話をしよう。今更。このブログは永遠にトレンドアフィリエイトになれないだろうと自覚している。
昨年の紅白の目玉は何と言っても米津玄師だった。いや、ユーミンがサザンにキスとかもあるが、とりあえず米津玄師である。
故郷徳島県の大塚国際美術館で、途方もない数のキャンドルが灯され、菅原小春が前衛感全開で踊りまくるという、公共放送の底力が存分に発揮された構成だった。
これには日本全国の音楽ファンが歓喜したと思う。
その名は向井太一
紅白歌合戦は、ポップ/ロック系の若手アーティストが出場を躊躇う番組とされていた。
音楽的に全く接点のない演歌歌手との絡み。長い拘束時間。安いギャラ。どれを取っても出場するメリットがない。と、若手が出場を拒否するのが、ある意味「伝統」とされてきた感がある。
だが、最近はその傾向にも少しずつ変化が見えてきている。今回の米津玄師もそうだし、Suchmosも臭くて汚いライブハウスからわざわざやってきてくれた。
皆、紅白という「ベタ」をあえて受容し始めている。
そんな中、「紅白歌合戦に出場したい」と明確に宣言している一人の歌手がいる。その名は向井太一である。
とりあえず聴いて
向井太一は福岡県生まれのアーティスト。2016年にトイズファクトリーからメジャーデビュー。
そうは言っても彼のことを知らない人が大半だろう。
とりあえず聴いてくれ。
唯一無二の声
向井太一の最初の魅力は「声」である。唸るような低音、繊細なファルセット。聞けば「あ、太一だ」とわかる。
これは生来のギフトであり、誰も太刀打ちできない。
変幻自在なソングライティング
そして、向井太一は、シンガーソングライターである。ジャズ、ファンク、R&B、オルタナティブ、など、ありとあらゆるジャンルをなんでもこなす。楽曲が、ただ単純に、優れている。
半透明ネガティブ
だが、私が考える向井太一の最大の魅力は、その歌詞である。
なんだか非常に屈折している。できることならばその歌詞をすべてここに掲載したいのだが、某JASRACの規制によりそれはできない。ため、とりあえず「Haters」の歌詞を読んでほしい。
どうだろう。私には、「半透明ネガティブ」という形容がぴったり来る気がする。暗いのだが、闇堕ちしているわけではなく、ちゃんと戦っている。
現状に卑屈になるわけでもなく、周囲を冷笑するわけでもなく、「辛いことは辛いが、できることをやる」という純粋なひたむきさがある。
去年発売したアルバムのタイトルも、そのものずばり『PURE』だ。
最強塩顔男子
最後になったが、向井太一の外見は、わかりやすく説明すると最強塩顔男子である。身長は高くないものの、ファッション雑誌でモデルを務めることもあるおしゃれさん。PVの衣装もこだわり抜かれている。
まず、モテることは間違いない。
紅白に出たら泣く
向井太一は商業的にはまだブレイクしきっていないものの、彼がいつの日か、世間に見つかることを願わずにはいられない。そして、念願の紅白歌合戦に出場する日を、ずっと待っている。本当に出たらたぶん泣くと思う。
そんな疲れた30代闇属性のゲイは、三連休最後の日も『リセット』を一人で聴き、明日もまた会社に向かう。
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